こんにちは、Yutaroです。
今回の記事は、僕の面白い・珍体験談です。
「ワーホリあるある」とも言えるかも知れませんが、ワーキングホリデー中にちょっと変な(普通の人と違う)人と出会うことはよくあります。
その中でも、1番飛びぬけてクレイジーな奴と出会った時の体験談をしたいと思います。
流石に本名は出せないので、Yoshimasa(仮名)としましょう。
ちょっと長いので、目次つけておきます。
前半はYoshimasaがどんな人物かの紹介をしているだけなので、時間のない方はYoshimasaの話から読んでください。

Yoshimasaはこの写真にはいません。
Yoshimasaとの出会い
まずは「Yoshimasaとはいったいどういう奴なのか?」「どこでYoshimasaと出会ったのか」について軽く紹介をしたいと思います。
どこで出会ったの?
Yoshimasaとはオーストラリアのファームで出会いました。
僕はワーホリのセカンドビザが欲しかったため、ファームジョブで有名なバンダバーグで働いていました。
Yoshimasaは、僕が到着した2週間後くらいに同じファームに来ました。
ただ、僕とYoshimasaは違うファームグループに所属していたので、住む場所は全く違います。
仕事の時だけ同じファームで一緒に働くってイメージです。
Yoshimasaっていったいどんな奴!?
Yoshimasaは、当時120㎏の大柄な青年でした。
誰とでも仲良くなれるスーパーフレンドリーな好青年って感じで、第一印象はかなり良かったです。
違うファームのグループから来ていたので普通ならそこまで関わることはないのですが、彼のスーパーフレンドリーな性格と独特なオーバーオールと麦藁帽の恰好からすぐに僕のグループの日本人に気に入られ、ファームで一緒に行動をするようになったんですね。
Yoshimasaはその当時で僕より3つくらい下だったので21歳だったと思います。
ギター1本でオーストラリアにワーホリに来たミュージシャンで、YouTubeに音楽動画をあげていました。
何度も言いますが、彼はめちゃくちゃフレンドリーで、誰とでも仲良くなれるタイプです。
あんなに人付き合いの上手い人間に合ったことはないと断言できるくらい、コミュ力が高いです。
【友達を作るのに英語は関係ない!?】Yoshimasaの異常なコミュニケーション能力
Yoshimasaのコミュニケーション能力がずば抜けて高かったです。
僕の29年間の人生の中でも、彼を超えるコミュニケーション能力を持っている人にまだ出会ってないです。
彼はYouTubeで音楽を配信しているミュージシャンだったので(今もかな?)、英語は全然喋れなかったですが、ギターと歌で合流したその日から僕たちのファームグループの人気者になっていました。
ちょっとリーダー格の人にはペコペコする人って多くないですか?なんか媚び売って好かれようとするやつ。
彼もその気があります。
でも、彼の凄さは誰に対しても同じなんです。
誰に対してもペコペコと言ったら聞こえが良くないかも知れないですが、誰に対しても全力で友達になろうとするんです。
僕と話を合わせる為だけにワンピース読破!?
いやー、これはビックリしましたね。
僕と話を合わせる為だけにオンラインでONEPIECEを読破したそうです。
僕は正直、簡単に心を開くタイプではありません(聞こえは悪いが、あまり人に興味がないんです)。
*特にワーホリ中は英語上達だけにフォーカスしてたこともあり、日本人の友達はあまり作りたくなかったんですね。
そんな僕にYoshimasaは仕事中にすごい色んな話をしてくるんですけど、僕は適当に返事をしていたんです。(今思うと失礼な奴だな)
「これではダメだ」と思ったYoshimasa、僕がONEPIECE好きという話を思い出して、数日徹夜してONEPIECEを全巻読破したらしいのです。
そこから数日間はONEPIECEの話で盛り上がりました。
こんな人に出会ったことありますか?
もうなんか、【一期一会】を大切にしているスゲー奴だなと感心しました。
毎日自転車で1時間かけて遊びに来るすげえ奴
毎日、遊びに来てました。
自転車で1時間かけて。
ファームの仕事って体力的にもそんな簡単ではないんですよね。
朝の5時くらいから始まって、忙しい時期は午後の4時くらいまでカンカン照りの中の収穫作業。
休みも2カ月間1度もないくらい忙しかったのに、仕事終わりにギター抱えて自転車で来てました。
毎日です。
脱帽ですね。
みんなの要望に応えてギターで弾き語りして、日本人だけでなく他の国の人からも大人気でした。
Yoshimasaの話
何となくYoshimasaがどんな人間なのか分かってもらえたでしょうか?
一言でまとめると120㎏のスーパーフレンドリーミュージシャンです。
そんなスーパーフレンドリーなYoshimasaと僕はどんどん仲良くなっていきました。
ただ、仕事以外では僕はどうしても英語を話す機会が作りたくて、日本人以外の友達と遊んでいました。
ワーホリや海外留学を経験したことがある人であれば共感できると思いますが、日本人はやはり日本人と行動をしますし、台湾人は台湾人、オーストラリア人はオーストラリア人と一緒に居るモノなんです。
もちろん、これはそういった傾向があるだけで違う人もいますが、多くの人が(同じ言葉を話す)自国の人間を好むものです。
僕も他の日本人とは仲良くしていましたが、僕にとってのワーキングホリデーは「英語上達のため」だったので、Yoshimasaが遊びに来ていても日本人以外の友達と時間を過ごすことが多かったんです。
そんな僕のことが気に入らなかったのかは知らないですが、いきなりYoshimasaの態度が変わったんです。
いきなりYoshimasaに無視されるように...なんで!?
Yoshimasaが来てから1カ月くらい経った頃だったと思います。
僕ともかなり仲良くなっていた頃に、僕のことをいきなり無視し始めたんです...
彼は僕より3つくらい年下なのですが、僕にはずっとタメ口でした。(僕は年下に舐められやすいタイプ)
いままでは「おい、Yutaro!」と呼んでいたのに、この日を境に「あ、Yutaroさん。それ、取ってもらってもいいですか?」と分かりやすく仰々しくなりました。
他の人には何も変わらず、僕にだけ態度が180度変わり、「何もしてないのになんで?」と頭の中がはてなマークだらけでしたね。
さすがに気になってしょうがなかったので本人に聞いてみてたら、「僕がYoshimasaのジョークを無視した」からだそう。
その後、僕の住むユニットまで遊びに来たYoshimasaが僕を呼び出して、「お前はまだ俺に心を開いてないだろ!仲が良くなったにも関わらず本当の僕を出していないことに俺は怒っているんだ!」と言ってきました。
正直僕はこれに驚きましたね。彼の言っていたことが全部当たっていたからです。
彼はメンタリストとしても生きていくことが出来るんじゃないかと思うくらい、口が上手いんです。
彼が本気で言っていたのかは分かりませんが、僕は完全に彼のことを信じていましたね。
「もっと本当の自分を出すこと」を約束にその場で仲直りしました。
【仲直りしたのに】Yoshimasaまた無視し始める...
せっかく仲直りして普通の楽しい生活に戻っていたのにまた無視し始めました。
仲直りしてから2週間目くらいだったと思いますが、全く同じことが起きましたね。
最初は「めんどくさい奴だな」と思ってもう関わらないようにしようかなとも思ったのですが、毎日一緒に働いているから気まずいし、ユニットにも遊びに来ていたので結局また話し合うことに...
「まだお前は俺に心を開いてない」と前回と似たような理由で無視されてたそうです。
もう、「めんどくせー」って気持ち全開だったのと、「お前」って呼ばれることに内心イラっとしてて、口では「ごめんな」と言いつつも、ちょっとずつ距離を置くことにしました。
3回目の無視...
3回目の無視です。
今でも覚えています、ズッキーニの収穫中に無視されたこと...
学生時代も無視やイジメなどとは無縁の生活を送ってきましたが、まさか大人になってこんな経験すると思わなかったです。
もうさすがにどうでもよくなっていました。
「Yoshimasaもあと2週間くらいでいなくなるらしいし、もう関わらないでおこう」と心に決めてYoshimasaのことは考えないようにしました。
でも、ファームでの生活で人と関係を断つのってすごい難しいんです。
毎日のようにホームパーティーがあって、どこに行ってもYoshimasa、Yoshimasaなんですね。
僕だけウェアウェルパーティーに誘わないYoshimasa
Yoshimasaのバンダバーグでのファーム生活も残り1週間を切ったころでしょうか。
Yoshimasaの住んでいるシェアハウスでから揚げパーティーを行ったんです。
Yoshimasaとは距離を置きながら、から揚げパーティーを楽しんでいました。
そんな中、Yoshimasaが彼自身のフェアウェルパーティー(お別れ会)を次の金曜日に開くという話をみんなししているんです。
Yoshimasaはわざわざ1人ずつ「金曜日にYoshimasaのお別れ会するから、絶対きてね!!!」と誘っているんですけど、僕は誘わないんです。
もう意地が悪い。
あえて僕に聞こえるようにみんなに声を掛けて「最後のYoshimasaだよ!何一緒に歌う~!?」なんてワザとらしく場を盛り上げる。
でも絶対に僕には言わないんです。
居心地が悪いったらもう、早く出てって欲しかったです。
Yoshimasaに説教される
Yoshimasaのフェアウェル前日の夜です。
Yoshimasaが僕らのユニットのキッチンで牛タンを料理していたのですが、気を抜いたら2人きりになってしまったんです。
2週間以上はろくに会話もしてなかったので僕は気まずかったのですが、Yoshimasaはそんな感じもないんですね
ずっと沈黙だったのにイキナリ「なんでお前だけを俺のパーティーに誘わなかったか分かるか?」
僕「...」
Yoshimasa「あえてお前に聞こえるように他の全員を誘ったんだよ」
僕はずっと「...」でしたね。
さらにYoshimasaが「お前は大切な人がいるのに自分から何もしないんだよ。」「いつも俺がお前の家に遊びに行ってるのに、お前は一度も俺の家に来たことがねえだろ」って冷静に怒ってるんです。
僕は「いや、お前のことが嫌いだからだよ!」って言いたかったですが、心に閉じ込めました。
Yoshimasaは「お前には俺の最後のパーティーに参加できなくて、誰か大切な人を失う気持ちを味わわせたかったんだよ」といつも誰かが僕の所に来るわけじゃないんだと、教えたかったそうです。
「いや、なんて勘違い野郎だよ」って思いましたが、あと2日でいなくなるので我慢しました。
【Yoshimasaが大激怒】Yutaro殴られる
Yoshimasa最終日です。
前日の夜に話した時にYoshimasaからパーティー誘われた僕ですが、行くことを辞めユニットで他の友達とトランプをして遊んでいました。
夜の7時くらいになった時からLINEで鬼のように電話が来てましたが、全部無視してました。
9時を過ぎたあたりですかね。パーティーも終わりかけだったらしいのですが、Yoshimasaが僕のユニットまで来たんです。
「何やってんだよお前。なんで来ねーんだよ」
Yoshimasaがプンプンです。
香港人と台湾人の友達がリビングルームにいたので、Yoshimasaと2人で2階の僕の部屋に行くことに。
ここからが地獄の時間でしたね。
Yoshimasaが「俺はこんなにお前のことを好きなのに、なんで来ないんだよ。気が済まないから殴らさせて」って言ってきたんです。
こんな状況を経験したことある人がいるか分からないですが、空気に飲まれて何も言えなくなるんですよね😅
*ちなみにYoshimasaはゲイではないです。友達として好きってことです。
「俺はこんなにお前に尽くしてるのに!」ボコッ👊
「なんでお前は!」ボコッ👊
結局、3時間くらいはこんな感じでした。
ここまでされて何もしない僕もどうかと思いますが、その時は「明日になればいなくなるから我慢」と何の抵抗もできませんでした。
完全にYoshimasaの作り出す空気に飲まれて圧倒されてましたね。
ゴキブリ出現!ビビるYutaro
もう深夜回ったころですかね。
僕がベッドに座って、Yoshimasaが僕に向かいながら殴ってくるんですけど、僕は気づいちゃったんです。
ゴキブリがいることに😱
僕の右側の壁をすす~って上に駆け上がっていきました。*ちなみに僕はゴキブリが大嫌いです。
思わず「ゴ、ゴキブリ!」と叫んでしまいました。
Yoshimasaはまだ怒っているので「おい!ゴキブリと俺どっちが大切なんだよ!」と意味の分からないことを言いだします。
ゴキブリと誰かの取り合いなんて聞いたことがないですね😂
そんなこんなしている間にゴキブリがどっか行っちゃいました...
ゴキブリ嫌いな人なら分かると思いますが、ゴキブリを逃してしまった時の「いつ出てくるんだろう?」の恐怖心とYoshimasaのまくし立てるような饒舌な言葉にもう何とも言えない気持ちになっていました。
それから、またしばらくして何故か1つ隣のベッドに移動しました。
そのベッドは天井に付いてるファンの真下にあるんです。
Yoshimasa殴り疲れて暑かったのかな?汗だくでしたね。
*日本では馴染みがないと思いますが、オーストラリアの家はどの部屋もこういったファンが天井に付いています。
ゴキブリまた現れる
はい、ゴキブリがまた現れました。
今度は、クローゼットの中からカサカサっと出たり入ったりしています。
Yoshimasaは殴り疲れたのか、ちょっとずつ静かになってきてますがまだまだ饒舌です。
僕はゴキブリが気になって仕方ない状態です。
そんな中、何を思ったのかゴキブリがカサカサ~と天井に向かって駆け上がっていくんです。
僕はYoshimasaの話を聞くふりをしながら、ゴキブリの行方を必死に目で追っていました。
ゴキブリがグングンと上に駆け上がっていきます
「カサカサ~」
「カサカサ~」
ゴキブリが天井に付いたと思ったらピタッと止まりました。
僕らのちょうど反対側の壁にピッタリ止まって動きません。
奴が何か変なことをしようとしているのが伝わってくるんですよね。
心臓が高鳴っていくのが自分でも分かります。
Yoshimasaもゴキブリが気になるようですが、怒っている側の立場から平静を装っています。
Yoshimasaを挟み、ゴキブリと僕。お互い見つめ合いながら、数秒が経った時です。
「バサバサッ」
飛びやがりました...
僕とYoshimasa目掛け一直線に飛んできます。
「バチッ!」
「ボトッ」
・
・
・
・
・
ファンです。
回転するファンにぶつかって真っ二つに割れ、Yoshimasaの真横に落ちました。
「カサカサ~」
真っ二つに割れたゴキブリの上半身だけがYoshimasaの横を通り抜けていきます。
僕は初めてファンで真っ二つに割れたゴキブリを見た衝撃と、この緊迫したシチュエーションから笑いが我慢できませんでした。
YoshimasaもYoshimasaで、笑いたいけど頑張って堪えてました😂
そんなこんなで夜中の1時過ぎ。
もう時間もだいぶ更けてきたのでここで和解し、次の日に僕が駅まで見送りに行くことを条件に帰ってもらいました。
ゴキブリにも助けられましたね。
最後の最後に一言「いや~、やっぱ俺天才だわ」
朝早く起きて、1時間かけ自転車でYoshimasaの家までいくYutaro。(なんで、行っちゃう)
これでやっと解放されると思うと全然苦じゃなかったです。
スーツケースをゴロゴロ転がしながら20分先の駅まで一緒に歩いていきました。
道中はまあ、ず~とYoshimasaが話してましたね。
やっと駅に着き、Yoshimasaの電車が来ました。
あれだけの事がありながら、Yoshimasaはまだ僕が彼のことを友達として好きだと思っていたような素振りでしたね。
Yoshimasaが電車に乗り込む寸前に一言、「あれっ、そういえば顔ぜんぜん腫れてなくね?」
たしかに、あれだけ殴られたのに僕の顔にはアザの一つもなかったんです。
クビはむち打ちみたいでめっちゃ痛かったですけどね。
電車に乗り込み、扉が閉まると同時に自分の拳を見つめながら一言。
「やっぱ、俺天才だわ」
プシューと電車の扉が閉まり、そのままいなくなりました。
最後の最後までYoshimasaかよっとツッコみたくなる終わり方でしたね。
後日談
この話は僕がよく鉄板ネタとして話すのですが、あれだけ正当化されちゃうと、もしかして自分が悪かったんじゃないか?と思うことも良くありました。
後日同じファームの友達から聞いたのですが、僕と全く同じ状況でYoshimasaの被害になった友達がいたそうです。
それ以外にもファームの人と喧嘩してクビになったりと、やっぱり彼はYoshimasaでした。
日本に帰国後に都内で会おうみたいな話にはなりましたが、僕が乗り気ではないのが分かったのか実現はしませんでした。
この話は当時のファームの友達には話したことがないので、この話を聞いたらビックリすると思います。
長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました!
Yoshimasaとはそれ以降の連絡は取ってないですが、もしもこれを読んだら自分の事だと分かると思います。
気軽に連絡してね😁
質問や感想等ございましたら下のコメント欄、もしくはツイッターまでお願いします。